第39回日本看護歴史学会学術集会
The 39th Annual Meeting of Japan Society of Nursing History
-チラシダウンロード-

集会長挨拶
第39回日本看護歴史学会学術集会開催にあたって

第39回日本看護歴史学会学術集会
集会長 春日 広美
千葉県立保健医療大学
このたび、日本看護歴史学会第39回学術集会が2025年8月9日(土)、10日(日)に千葉県立保健医療大学において開催する運びとなりました。このような貴重な機会をいただき、会員の皆様、関係者の皆様に感謝申し上げます。
本学術集会のテーマは「日本型看護を再考する-日本の歴史・文化をふまえた看護の展望-」です。わが国において英米国の指導者によるナイチンゲール方式の近代看護教育が始まって140年。その教育は欧米の考え方を基盤としていても、日本人の生活、考え方、文化にうまく溶け込む看護に変換して浸透していったと思います。しかし戦後、それまでの看護は前近代的とみなされ、 GHQの管理指導のもとドラスティックな病院改革、看護教育改革が行われました。それまでの日本の看護は、主に患者の自宅で家族や派出看護婦によって行われ、病院に入院しても鍋釜布団一式を持参して、やはり家族や派出看護婦がベッドサイドでケアにあたっていました。 GHQの指導によって日本の看護は確かに発展しましたが、反面、私たちは長い歴史の中で醸成された日本の社会風土、価値観、人間関係に根差した独自の文化の看護、つまり「日本型看護」をどこかに置いてきてしまった、忘れてしまったということはないでしょうか。日本の看護が医療モデルから生活モデルヘ転換して久しいです。地域包括ケアシステム、地域共生社会が進められている今この時期に、多方面から“日本型看護"を再考し、日本の看護の展望を考える機会にしたいと存じます。
プログラムは、江戸時代まで遡り、かつて日本人は病気をどのようにとらえ、そのときをどう過ごし、対処してきたのか、誰が看病をしたのかなど、文化的な側面からお話しいただける講師をお招きし、あらためて日本人の病気療養や看護について考えてみたいと思います。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。